2016年8月18日木曜日

母性内科学会第1回学術集会開催  -キンメダイの伊東と伊豆高原- 【No.65】

 8月6日には花火大会が大阪淀川河畔、神戸港で開催されました。夕食時TVで淀川花火大会を見ていると、神戸の花火の音がドン・ドンと低音で聞こえていました。光がメインの花火ですが、近くで聞く音が無ければ感動も半減するように思います。今年は伊豆の伊東でささやかな花火大会を観る機会がありました。7月31日界伊東(星野リゾート)に1泊しカミサン孝行をして来ました。
31日は伊東ドルフィンファンタジーでイルカと泳ぐイルカスウィムコースを選びました。私はカメラマン。ウェットスーツを着用する段階でカミサンから協力を強いられました。スタッフが選んでくれたサイズが入らないので半分着用した状態で更衣室から出てきて後ろを上げてくれと言うので、まずは足を十分引っ張り上げてから腰の部分を収め、肩が片方入ったけれどもう一方がどうしても入らない。使い回しされているウェットスーツは、手を掛ける場所・場所にほころびが見られ、みんな苦労して特に中年の女性は苦労して無理やり引っ張り上げようとするらしい(スタッフ弁)。太もも、腰、そして腹の部分の通過が困難にもかかわらず無理やり上半身部分だけ引っ張るものだから何の罪も無い素直なウェットスーツの耐用年数は短い(特に女性用)。ワンサイズアップしてようやく首まで着ることが出来ました。写真掲載しておきますので何処がだぶついているかチェックしてみてください。(なお写真掲載は本人の了解を得ていません)
まずは30分ほど漁船に乗って伊東の海岸を日蓮上人流刑の俎板岩まで海上旅。当日は曇りで風が少々きつく、漁船にはどんどんと波が当ります。10分も乗っていると慣れてきて、ちょっとしたスリリングな海上漫歩の後波止場内に戻り、大きい生簀内でイルカと触れあい、一緒に泳ぎます。妊婦水泳教室で週1回相談監視の仕事をしているカミサンの実務は殆ど無く、一緒に泳ぐことが出来るので近年ぐんぐん泳力をつけており、この日は小学生2人と一緒の3名という数少ない参加者で、繰り返し4頭のイルカが迎えに来るのでイルカの背ビラに手を掛けて、いやというほどにむしろイルカに泳がされていました。水中での優しいイルカの目に感動し十分楽しんだようです。8月10日の(三浦)按針祭りに向けて7月末からプレ花火大会が伊東近辺で開催されています。やや離れた宿泊施設でしたが、3秒ほどの遅れ(1.2km)で花火を楽しむことが出来ました。
翌日は地理好きの私の希望もあって、伊東周辺の伊豆高原探索。雲が流れて不安定な天候で期待する眺望が得られなかった大室山、これは阿蘇の米塚に似ていますね。両者スコリア丘です。スコリア丘とは(scoria cone)は、玄武岩質から安山岩質のマグマによる噴火活動により地表面にスコリア(岩滓。 マグマが吹き上げられて飛散冷却してできる岩塊で、多孔質で黒っぽいもの)が放出され、火口の周りに積もって崖錐斜面をつくり、円錐台形の山を成したものを指し小規模な火山地形の一種だそうです。阿蘇の米塚を高校の修学旅行で見てからは、妙な気が蠢く地形の種類なのです。形は違いますがトロイデ型の甲山が西宮にはあります。元来「火」好きな私は、マグマの表現型の違いにわくわくするのです。伊豆半島の成り立ちについて興味のある方は静岡大学小山真人先生の研究室HP力作の「伊豆半島の火山―その生い立ち・現在・未来」をご参照ください。
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Izu/IzuOpen.html
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Welcome.html

 少し、管理が行き届かなくなって往時の華やかさから一歩退き、ある意味では落ち着いた雰囲気の中で街のこれからが試される時期を迎えている伊豆急線伊豆高原駅界隈高原別荘地桜並木を通り抜け、城ヶ崎海岸に出ました。5000年前大室山から流出した5億1000万トンという大量のマグマが伊豆高原を造り、海まで流出して出来た海岸は荒々しく、有名な門脇灯台・門脇つり橋はTVドラマのロケで有名です。この溶岩台地の海岸はイワツバメが乱舞し、近年自殺の名所は熱海からこの海岸に移って来ているのだそうです。お昼は富戸にある『ぼら納屋』でキンメダイの漬け丼、イセエビの御造りを食べました。伊豆はキンメダイだらけ。ギョロットした黒目で見つめられます。でも美味しいな~。

 そもそも東京方面に出かけるようになったのは、私のうれしい仕事があったからです。第1回日本母性内科学会が有楽町にある東京フォーラムで開催され、30分の記念講演を頼まれました。
http://www.boseinaika.jp/
7月30日当日には72名の熱い思いを持った医療関係者が集まり、専門性の高い議論を聴くことが出来ました。元大阪母子医療センター母性内科の職員も忙しい外来をやりくりして参加してくれました。私にとっては一つの人生の区切りのイベントでした。記念講演のタイトルは「母性内科医の35年 -行き交った人々から与えられた私小説-」です。下記にそのプレゼンテーション中の1枚のスライド「木戸口医師の名言集」を掲載しておきます。

妊娠は負荷試験
(女性のフィジカル&メンタル そして家族・社会)

胎盤は、妊娠の忠実な履歴書
(胎盤血栓・梗塞 そして 胎盤機能 Barker’s Hypothesis)

健やかな児は、健やかな母性に宿る
(母性を支援する父性、家族、地域、社会的度量)

地道ながらも意思ある人々による熱い思いと精度の高い議論を基に、一人でも多くの意義ある命の輝きがこの世に芽生え、育まれることを祈念しています。

医公庵未翁 記


暑い夏の日が続きます。ご身体ご自愛ください。

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