2017年8月29日火曜日

蓑助のかしら 女の所作 −硬骨女と軟骨女−   
そうそうそれから 弊社 元気セミナ−開催【No.73】

 終戦記念日が過ぎて夏も後半。今年のお盆は日程が折り合って、本山町北畑字保久良通り東桜山西光寺のご住職のお参りが叶いました。久しぶりに木魚に油引きをし、鉦に磨きをかけました。東京で勉強中のご子息を連れてのお参り。迫力あるお参りとなりました。ペットの供養の話となり、ご子息の解説は浄土宗勉強真っ只中、新進気鋭の活力があり、短時間ではありますが、進化しなければならない仏教の命の捉え方を興味深く拝聴できました。ペットに対する過剰なまでの飼い主の気持ちと、生きとし生けるもの、命の大切さを考えました。

  1ヵ月前の7月27日文楽を観に行く機会に恵まれました。国立文楽劇場夏休み特別講演第3部サマーレイトショー『夏祭浪花鑑』住吉鳥居前の段、釣船三婦内の段、長町裏の段。それぞれ見せ場がある演目の組み合わせになっていますが、ストーリー展開の連続性と整合性が理解できず、素人目には荒唐無稽な流れの様に思いました。不勉強至極!
 その中で徳兵衛女房お辰の頭(かしら)を操る主遣い、文楽を代表する立女形として有名な吉田蓑助さんの女性の上半身の所作が何ともいえず、上半身が3分割されてそれぞれが違う方向に動いてしなだれ掛かる様で不思議な軟体/軟骨系、そして忘れかけていた和服姿の女性の仕草にこめられた日本文化の究極の表現、平成では天然記念物とも考えられるかな、そこはかとない色気の表出の仕方に思わず生唾を飲み込みました。よくよく考えたら、健診で軽度の側彎症はよく見かけるものの(笑)、そのような一連の上半身の筋肉コーディネートが出来る女性はもういないのではないのかな。学習する機会と実際に行う場は皆無に近く、そしてそれをそこはかとない女性の色気として捉える男性も激減して来ているでしょう。もっと直裁的に、硬骨的な表現方法に知らぬ間に変わって来ている現代ではないかなと、ふっとそう思いました。懐古的すぎるかな・・インバウンドのあふれている大阪で、対極的ともいえる日本の古典芸能の技そしてその根底にある日本文化のこれからは、観賞する側にも理解と歴史的勉強そして繊細な感性が不可欠なのではないでしょうか。

 第12回元気セミナーが今年も新大阪メルパルクで8月22日火曜日に開催されました。今年弊社がマンモグラフィ検診車、婦人科検診車を運用開始した事を契機にテーマは、 『本当に知っていますか?乳がんのこと』 
第一部は大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医学 病院講師 森崎珠実氏の基調講演「乳がんのこと」総論概説。第二部がフリーアナウンサー豊島美雪氏による「乳がん・・・私の場合」。第3部は両氏と私3人によるトークセッションの三部構成でした。世間の話題となった事例後のセミナーとあって、従来よりも参加者が多く、分かりやすい森崎先生のプレゼンテーション、豊島氏の豊かなトーク技術が相まって実り多いセミナーとなりました。医学的内容は別として、豊島氏のガンと共生する人生の考え方は誰もまねできないポジティブな捉え方で自分の人生と真っ向勝負、対峙して積極的に切り開いてゆく、かといってそれだけに囚われずにそれはそうとして冷静に判断する自分の存在が確立しており、どう生きて行くのか、がんは人生の全てではない自分の一部である捉え方は、なかなか真似の出来る事ではないでしょう。自己確立の弱い日本人では希有な例かもしれませんが、それだけにサポートする医療従事者にとっては支援していく勘所の非常に参考となるお話だったと思います。
 医療法人厚生会広報誌 マイヘルス Vol.04 「乳がんの現在、そして知ってほしいこと」も併せて参照ください。

 オホーツク高気圧と太平洋高気圧との勢力図が年々様変わりをしてゲリラ豪雨から線状降水帯へと、より降水量の激烈な天気現象へ昨今は変貌し、スーパーセルも現認される日本となって来ました。
 世の中が荒ぶれて来ている様に思います。紀行と風土、やがて文化も繊細さが欠けてくるかもしれません。軟骨女から硬骨女はその表象的な一面なのかも知れません。
残夏、活力を失わず暑さを克服してがんばりましょう。

医公庵未翁 記



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